手術の前に、異常がないことを確認するために血液検査・胸部レントゲン検査を行います。
腎臓の悪い動物には麻酔をかけることがでず、また、高齢の動物は腎機能が低下している可能性が高いため、しっかりと血液検査を行います。
レントゲン検査は、腫瘍がないか、もしくはほかの部位への転移が起きていないかをしっかりと確認するために行います。
術中の痛みは麻酔がかかっていても、動物にとっては大きな負担となり、不整脈等を起こす原因となってしまいます。その為、術前からしっかりと痛みを抑えてあげることで、動物への負担の軽減や、術中の状態の悪化を防止します。
動物に導入麻酔をかける前に5分間動物に酸素吸入を行います。これは麻酔をかけると呼吸が浅くなってしまうため、予め体内の酸素量を増やしておくことで呼吸が浅くなった際に体への負担を最小限に抑える効果があります。これを酸素化といいます。
当院では、動物に麻酔をかける際には常に2人体制での麻酔管理を行っております。
麻酔をかけるときに最もリスクが高いのは導入と覚醒の時(麻酔をかける時とさめる時)ですが、それ以外の時でも常に動物の状態を管理(モニタリング)しております。特に高齢になった動物は深麻酔(麻酔がかかりすぎて目覚めない)のリスクが高いため、注意して管理(モニタリング)を行います。
手術中及び手術後はしっかりとした注意を払います。術中に低体温になる動物は年齢を問わず多いですが、特にシニアには注意が必要です。また、術後も高齢となった動物は基礎代謝が下がることから体温が下がりやすくなるため、しっかりと保温を継続していきます。